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芦原義信建築アーカイブ展覧会用データベースシステム
 芦原義信建築アーカイブには、同氏が携わった全300作品に関しての建築図面約42,000点と竣工写真約18,000点が保管されているが、芦原義信建築アーカイブ展で実物の資料によって紹介できた作品は、スペースの都合上ごく一部の初期作品に限られていた。そこで氏の全作品を概観するために、デジタル化した全手描き図面と竣工写真を大型タッチパネル端末で閲覧できるシステムを構築し、会場に展示した。デジタルデータではあったが、多数の図面から設計プロセスを追うことや、通常ではあまり目にすることができない構造図や設備図なども閲覧することが可能となった。また高解像度でデジタル化した建築図面をモニター上で等倍以上に拡大して見ることで、緻密に描かれた鉛筆の運びなどを見ることができるなど、建築アーカイブにおける図面の新しい公開手法を目指した。
 データ閲覧には、簡易的なテキスト検索機能に加えて、1.セレクトされた作品、2.年表、3.地域、4.主要用途 という4つの検索方法を提示した。これらは芦原氏の50年に渡った設計活動を、複数の軸から見るためのものである。そしてこれらを可能にしたのは、建築図面や竣工写真のデジタル化と合わせて行った作品調査の結果によるものであり、本アーカイブの成果の一つといえる。

タッチパネル

タッチパネルシステム制作:大田暁雄
データベースシステム制作:株式会社寿限無
データ制作:武蔵野美術大学 造形研究センター/武蔵野美術大学 美術館・図書館