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ムサビのデザインⅣ 1980-1990’s: エットレ・ソットサスとヌオーヴォ・デザイン
Musashino Art University and Design Ⅳ -1980-1990’s: Ettore Sottsass and nuovo design
会 期:2014年9月8日(月)-10月27日(月)
休館日:日曜日、祝日 ※9月15日(月・祝)、10月26日(日)は特別開館
入館料:無料
会 場:武蔵野美術大学美術館 展示室2
主 催:武蔵野美術大学 美術館・図書館
共 催:武蔵野美術大学 造形研究センター
監 修:柏木 博(武蔵野美術大学 造形文化・美学美術史 教授/武蔵野美術大学 造形研究センター第2テーマ研究代表)
    松葉一清(武蔵野美術大学 造形文化・美学美術史 教授/武蔵野美術大学 造形研究センター第1テーマ研究代表)
入場者数:7,767 人

 「ムサビのデザイン」展の第4弾となる本展は、2013年からスタートした武蔵野美術大学造形研究センターの研究プロジェクト「生活デザインの高度なデジタル・アーカイブ化と、その生活文化空間の総合的研究への応用」の成果の公開として企画されました。
 イタリアの建築家でありデザイナーのエットレ・ソットサス(1917-2007)に注目し、ポスト・モダンのデザインのうねりが頂点に達した1989年に、彼がデザインした照明27点を一挙に展示しました。
 同時に、ソットサスがミラノで結成したデザイン・グループ「メンフィス」(1981年)に代表される、1980年代頃から国際的に隆盛し、ヨーロッパのほか日本にも広まった「ラディカルな」デザインの動向を振り返りました。
 展示会場は3部で構成され、第1部では1950-70年代にかけて、オリベッティ社のコンサルタント・デザイナーとして活躍したソットサスの仕事を紹介しました。同社で手がけた機器類のなかでも名作といわれる、真っ赤なタイプライター「バレンタインS」(1969年)や、快適なオフィスライフのために考え抜かれたインテリアデザインの数々を展示しました。第2部ではソットサスと日本との関係を示す、照明器具の貴重なプロトタイプ26点と復刻品1点を実際に点灯しながら展示しました。ペンダントランプ、ブラケット、フロアランプ、テーブルランプと用途が多様であり、木・金属・大理石・ガラスなどの異素材を組み合わせた斬新な形と鮮やかな色彩が、時には異様なまでの存在感を感じさました。この照明器具は1989年に、かねてから交流のあった日本企業・ヤマギワの依頼によってデザインされました。第3部は1980年代以降に活躍したグループやデザイナーの作品から、「ラディカルな」デザインの動向を振り返りました。機能性や生産性を重視した従来のモダニズムとは異なり、1980年代頃から、「ニュー・デザイン(イタリア語でヌオーヴォ・デザイン)」とよばれた、多様な素材と歴史的要素を折衷した新傾向のデザインが隆盛します。その動向をメンフィスの名作家具「カールトン」(1981年)とともに、倉俣史朗(1934-1991)や梅田正徳(1941- )らソットサスゆかりのデザイナーによる家具などの展示によって振り返りました。

関連イベント

講演会「ラディカルデザインの1980年代」

日 時:2014年9月13日(土)14:00-16:00(開場:13:30)
会 場:武蔵野美術大学 美術館ホール
出演者:内田 繁(インテリアデザイナー)
    柏木 博(武蔵野美術大学 造形文化・美学美術史 教授/武蔵野美術大学 造形研究センター第2テーマ研究代表)
    松葉一清(武蔵野美術大学 造形文化・美学美術史 教授/武蔵野美術大学 造形研究センター第1テーマ研究代表)
内 容:内田 繁氏が、80年代までのインテリアデザインや自身の作品について語るほか、柏木 博教授、松葉一清教授を交えての鼎談。

ギャラリートーク「デザインにさわる、はなす」全3回

日 時:2014年9月27日(土)14:00-14:30、10月25日(土)14:00-14:30、10月9日(木)16:30-17:00
会 場:武蔵野美術大学美術館 展示室2
集合場所:美術館受付前
内 容:本展出品作品について、ムサビ生がデザインを学ぶ学生ならではの視点から、分かりやすく解説。